経鼻弱毒生インフルエンザワクチン (live attenuated influenza vaccine: LAIV) は 2003 年に初めて米国で承認され、2023年4月時点で36の国と地域で承認されています。小児にとって、ワクチンに伴う痛みは重大な懸念事項であり、経鼻接種による痛みの軽減には重要な意義があります。
日本小児科学会の考え方
不活化インフルエンザHAワクチン (正式名称: インフルエンザHAワクチン) (inactivated influenza vaccine:IIV) と経鼻弱毒生インフルエンザワクチン (live attenuated influenza vaccine: LAIV) の間にインフルエンザ罹患予防効果に対する明確な優位性は確認されていません。
対象
- 2歳〜19歳未満に対して、不活化インフルエンザHAワクチンまたは経鼻弱毒生インフルエンザワクチンのいずれかのワクチンを用いたインフルエンザ予防を同等に推奨しますが、特に喘息患者には不活化インフルエンザHAワクチンの使用を推奨します。経鼻弱毒生インフルエンザワクチンは飛沫又は接触によりワクチンウイルスの水平伝播の可能性があるため、授乳婦、周囲に免疫不全患者がいる場合は不活化インフルエンザHAワクチンの使用を推奨します。
- 生後6か月〜2歳未満、19歳以上、免疫不全患者、無脾症患者、妊婦、ミトコンドリア脳筋症患者、ゼラチ ンアレルギーを有する患者、中枢神経系の解剖学的バリアー破綻がある患者に対しては不活化インフルエンザ HA ワクチンのみを推奨します。
副反応
- 10%以上: 鼻閉・鼻漏(59.2%)、咳嗽、口腔咽頭痛
- 1〜10%未満: 鼻咽頭炎、食欲減退、下痢、腹痛、発熱、活動性低下・疲労・無力症、筋肉痛、インフルエンザ
- 1%未満: 発疹、鼻出血、胃腸炎、中耳炎
接種方法
- 接種適応年齢:2歳〜19歳未満
- 0.2mLを1回 (左右の鼻腔内に各0.1mLを 1噴霧ずつ、合計2噴霧)、国内においては、全ての接種適応年齢 (2歳~19歳未満) において、1シーズンにおける最大接種回数を1回接種
小児科学会ホームページより
経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方~医療機関の皆様へ~
費用は8000円程度とされているところが多いようです。以上、費用対効果を考え、当クリニックでは、採用検討中です。ご理解のほどよろしくお願いします。